日本人女性ではかなり多くが真っ直ぐな足では無いという傾向にあるブログ:2018-01-09
白寿になるお母さんが田舎で達者に暮らしている。
デイサービスのお世話にはなっているが頭はしっかりしており、
今でも新聞は隅から隅まで読み、
オレよりよっぽど世間のニュースに詳しい。
デイサービスの職員の方々からも頼りにされていると、
お母さん自身が得意げに話してくれる。
頭の体操的なレクリエーションの時間に
「四語熟語」の穴埋めテストの様なものが出るらしい。
いつもトップと言うより、若い職員も分からないと
最後はお母さんに聞くようなことがしばしばであるそうだ。
その様な話を帰省でお母さんを見舞いに行くと
お母さんの口から以上に他人様から聞くので嬉しくもあるが、
古希を迎える娘のオレとしては
お母さんを未だ超えることが出来ないのに恥じ入るばかりである。
しかしお母さんが幾ら達者と言え99歳、あと半年で100歳の誕生を迎える。
世話をしてくれるオレの姉がいるとは言え、
見舞った後の別れはつらくてつらくて…
また、今回の帰省にはいろいろ複雑な思いもあった。
お母さんに本当のことを言った方がよいかどうか迷いがあったからである。
それは、オレの「早期発見」の癌の手術を言うべきかどうかであった。
手術そのものは大成功で、
「再発」さえなければ、そして誰にも言わない限り、
嫁以外誰も知らずに済む。
田舎に向かう「汽車」に乗っている間も
言うべきかどうか結論が出ないままお母さんと向き合ってしまった。
久しぶりの田舎のご馳走を食べながら夜遅くまで談笑し、
お母さんの笑顔を見ているとやっぱり言うまいと、
結局「癌」についてはお母さんにも姉にも言わないままである。
そして「元気で達者で暮らすのよ!」と
今回もまたお母さんに励まされたのを「車中」で思い出し
オレは涙を抑えながら帰宅した。